昭和大学学士会後援セミナーとして、聖路加国際大学看護学研究科教授の大田えりか先生をお招きし、「系統的レビューの研究手法について」という演題名でご講演して頂きます。
セミナーはどなたでも参加して頂けます。昭和大学医学部および歯学部大学院認定セミナーに認定されましたので、当該大学院生の皆さまには受講票に印(またはサイン)を提供することが出来ます。当日参加も可能ですが、可能な限り申込みフォームでの事前参加登録をお願いします。
(講演抄録)世界中の患者、一般の人々、医療者、医療政策者が信頼できる医療情報としてコクラン系統的レビューが利用されている。コクランは、信頼性の高い情報を医療者と患者市民に提供することで医療を変えていこうとイギリスで1992年に設立された。現在まで、7000以上の治療法や課題に関するコクランレビューが公開されている。2008-2016年の間に出版された160の世界保健機関(WHO)のガイドラインは、474のコクランレビューを引用している。コクランライブラリーでダウンロードできるコクラン系統的レビューを利用することによって、最新のエビデンスに基づいた効果的な保健医療の提供、臨床現場での問題の解決、新しい効果のある予防や治療の導入することができる。コクラン系統的レビューでは、一つの治療法や課題に関して、世界中で行われた研究を網羅的に検索し、質などについて客観的かつ厳密に評価して、信頼に足るものだけをまとめるという手法を用いる。コクランレビューは、世界中の医療者が、ケアの方針を決めるときに参考にするだけではなく、平易な言葉による要約も同時に作成されるので、一般市民や患者さんも積極的に閲覧して利用している。系統的レビューの研究手法は、このコクラン系統的レビューを基に確立された。コクラン日本センターでは、定期的にコクラン系統的レビューの著者向けのワークショップを行っている。講演では、なぜ系統的レビューが必要か、系統的レビューの研究手法の概観、メタ解析の解釈の方法について解説する。
その他、詳細につきましては、ePCIのホームページ(http://epci.jp/) をご参照下さい。どうぞよろしくお願い申し上げます。