ご挨拶

「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト」新体制発足にあたって

昭和大学 統括研究推進センター 教授・副センター長(研究推進部門)

大学院医学研究科衛生学・公衆衛生学部門(兼担)

医学部内科学講座腎臓内科学部門(兼担)

 長谷川 毅

  統括研究推進センター(Showa University Research Admonistration Center:SURAC)は昭和大学の研究活動を統括的に支援し推進することを目的に、2019年4月に設置されました。SURACは研究推進部門、臨床研究支援部門、研究支援事務部門の3つの部門で構成され、研究者向け教育や研究相談、研究倫理審査や知財・発明申請に関する業務、各種研究費の執行管理支援などを行っており、研究に関するすべての業務をワンストップでシームレスに支援できる体制となっています。

 SURAC研究推進部門では「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト(education Project for Clinical Investigators: ePCI)」を通じて、昭和大学のすべての教職員・大学院生を対象とした臨床研究リテラシー獲得のための各種セミナー・ワークショップの開催やオンライン学習サイト運営などの教育研修コンテンツを提供しています。個別の研究コンサルテーションはもちろん、統計解析ソフト(JMP® Pro、JMP® Clinical)の学内限定無償提供や英文校正支援などの研究体制整備に関する業務も行っています。SURAC研究推進部門が提供する教育研修コンテンツは昭和大学ファカルティ・ディベロップメント講習会および大学院(医・歯)単位認定学内開催研究会・セミナーでもありますので、教職員・大学院生の皆さまの奮ってのご参加をお願い致します。

 SURACの発足にあたって、多くの学内兼担・兼務教員および学外協力教員の先生方のご協力、ご指導を頂いております。また、2020年1月からは昭和大学における更なる「臨床研究リテラシー」の普及と研究・教育の指導的人材育成を目的としたSUNLiSE*育成プログラム選抜メンバー第1期生(令和元年度)も迎えて、新体制を発足しました(メンバー紹介参照)。

*Showa University Next Leader in Study and Education (SUNLiSE)

「現場の医療人だからこそ着想可能で実施できる臨床研究の推進を目指して」をモットーに、引き続き努力してゆく所存ですので、今後とも皆さまのご指導、ご支援、ご協力頂けますようお願い申し上げます。

 

令和2年(2020年)2月吉日

文責 長谷川 毅

 

「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト」ホームページのリニューアルオープンにあたって

昭和大学統括研究推進センター 准教授・副センター長

長谷川 毅

  平成 31年(2019年)4月1日付で旧昭和大学研究推進室は昭和大学統括研究推進センター(Showa University Research Administration Center: SURAC)に改組統合されました。これに伴い、旧研究推進室で所管しておりました「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト(education Project for Clinical Investigators: ePCI)」も統括研究推進センターに移管することとなり、この度ホームページもリニューアルオープンしました。

  このプロジェクト(ePCI)も平成28年(2016年)10月の立ち上げから約2年半が経過しました。これまでに、セミナー 4科目 計 36回、ワークショップ 3科目計14回を開催し、累計 917名の教職員・大学院生のみなさまに参加して頂きました。ePCIが併せて運営しているオンライ学習サイトにはこれまで累計 462名の登録 があり、4科目 35講義ファイルに対し、累計 1,400回以上の視聴が ありました 。セミナー・ワークショップの事後アンケート評価も含めたePCIの活動実績、研究業績、および今後のイベント情報などについては、全てホームページ(http://epci.jp/)で公開し、オンライン学習サイトもホームページ上に設置してあります。

  今後、オンライン学習サイトも含めて更に内容を充実させていく所存でございます。引き続きのご支援ご協力の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。 

令和元年(2019年)5月吉日

文責 長谷川 毅

 

  

「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト」立ち上げにあたって

昭和大学研究推進室 准教授 / 昭和大学藤が丘病院腎臓内科(兼担)

 長谷川 毅

  昭和大学研究推進室が管掌する新たなプロジェクトとして、「昭和大学医療人のための臨床研究教育支援プロジェクト(education Project for Clinical Investigators: ePCI)」を2016年10月より立ち上げることになりました。ePCIの詳細については、「ePCIとは」をご参照下さい。

  はじめに、このプロジェクトの立ち上げをご快諾頂き、物心両面でご支援下さっている研究推進室室長・教授の内田英二先生に厚く御礼申し上げます。

  私は今年で医学部卒後20年目になりますが、臨床研究の学習・修練を本格的に始めたのが丁度10年前、卒後10年目の春でした。それまで私は内科系スーパーローテート研修を修了した後、サブスペシャルティとして腎臓内科を選択し、臨床業務に専ら従事していました。卒後6年目頃からだったでしょうか、臨床に取り組むなかで浮かんでくる「臨床上の疑問」に対して「臨床研究らしきモノ」に取り組みはじめ、その結果を国内外の学会で発表もしていました。しかし、如何せん独学では限界があり、臨床研究の理論や手法に関する多くの疑問点を解消する術も当時の私の周囲には無く、悶々としていました。そのような日々を送っていた卒後8年目に参加したあるセミナーで、京都大学大学院医学研究科に臨床医を対象とした国内初の臨床研究者養成プログラムが設立された、という情報を聞きつけ居てもたっても居られず、翌年には大学院を受験、幸い入学を許されたため、卒後10年目の春に当時の職を辞し、34歳で大学院生となったという次第です(プロフィール参照)。

   今回、ePCIというプロジェクトを立ち上げるに至った着想の原点は、私も経験し、おそらく多くの医療人の皆さんも感じていらっしゃるであろう臨床研究に対する「悶々とした不全感」を少しでも解消するお手伝いをしたい、という思いです。私は大学院で基礎的な臨床研究の理論や手法を学んだ後、米国留学の機会も与えられ、国際的大規模観察疫学研究に従事するという貴重な経験も得てon the job trainingを積んできました。帰国後は学会などで研究活動だけでなく臨床研究の教育活動などに携わる機会も多く頂き、また2012年4月からは昭和大学学内でも同僚らと臨床研究に関する定期的な勉強会を始めてもいました。ご縁があって2014年4月からは2年間国内留学させて頂き、福島県立医科大学に設置された臨床研究イノベーションセンターの立ち上げに教員として参画する経験も積みました。このような私の臨床研究の実践および教育の経験が、これからのePCIの活動に少しでも活かすことが出来れば幸いです。

   一方で、私は医学部卒業以来ずっと内科医として臨床に携わっており、医療人の日常業務の多忙さは自らのこととしても身にしみて感じてきました。忙しい臨床現場においても、出来るだけ負担が少なく、効率的に臨床研究の基礎的・本質的な理論や、実践的な統計解析などの手法を楽しく学んで頂けるよう努力していきたいと存じます。しかし、臨床現場を離れてしまうと臨床研究のタネになる切実な「臨床上の疑問」がなかなか浮かんで来なくなってしまったり、最新の臨床知見に照らし合わせた適切な臨床研究の評価が困難となってくる、ということを経験からも感じています。それ故、私自身も臨床講座における臨床業務も兼担として継続させて頂いております。「現場の医療人だからこそ実施可能な臨床研究の推進を目指して」をモットーにこれからも努力していく所存です。

  まずは「ひとりで始める」プロジェクトですので、至らぬところは多々あるかと存じますがご容赦ください。これから少しずつこのプロジェクトに協力して下さる仲間を募り、活動を広げていきたいと考えています。ePCIでは、「臨床研究」をキーワードに昭和大学の医療人を元気にし、ひいては本学の臨床・研究・教育レベルの更なる向上に、微力ではありますが貢献したいと存じます。今後とも皆さまのご指導、ご鞭撻を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

平成28年(2016年)10月吉日

文責 長谷川 毅